1万2千年前の記憶

2007年7月30日 (月)

急上昇

 海の底から、空へ出るのだろうか。それとも噴射が起こす水しぶきなのだろうか。後ろに向かってGがかかる。動けない。目の前に細かい泡が浮いた海が見える。だんだんと海は明るくなり、一瞬真っ白な波しぶきとともに外へ出た。
 海の表面は穏やかで、空は真っ青に広がっている。
「海は穏やかなのですね。」
「そうですね。穏やかな日もあれば、荒れ狂う日もありますよ。」
「そうなのですか。わたくし、海をこんなに近くで見るのは初めてです。」
「宮からはお見えになりませんからね。」
「とても美しい。あなたはいつもこの海をご覧になっているのですね。」
 そう会話をしているうちに、目の前に広がる海は遥か下方に移り、そのうち空しか見えなくなった。

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七色に輝くもの

 場所ははっきり覚えていない。
 私はそれがうまくできているのかどうかを確かめるためにそこへ行った。
 そこは何かを製造しているところで、イツキノミヤに携わる者達が黙って働いている。誰かが私に説明をする。
「あのようにして鏡の表面になるものを作ります。」
「どうやって形にするのですか?」
「あるものを加えて液状化します。それを流し込み、鏡の表面とするのですよ。」
 フラスコのようなガラス容器の中に、土のような石のような物が入っていた。そこへ何かを流し込んでいる。
 撹拌しているうちにそれは液状と化した。きらきらと赤や青、緑のような玉虫色のような輝きを放ってくる。
 ガラス容器ごと水のような物で冷やすと、土色をしていた原料がぴかぴかと光り輝く金属(鉱物?)に変化した。
「この作業に携わっている者達を紹介しましょう。」
 そういって、誰かは、作業している一人一人を指さしながら、その者達の名前を挙げていく。実は聞き慣れた名前。

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2007年7月16日 (月)

 洞窟を通ってどこかへ逃がしてもらう夢。
 しめった洞窟の中を、背の高い青年に掴まって歩いている。
 足元のよろめく、歩きにくい洞窟だけど、歩かないと命がないのだ。
 赤の仮面を付けたグループと青の仮面を付けたグループがそれぞれの部署で待っていてくれて、右だ、左だと教えてくれる。
 そのうち、足元には水がひたひたと寄ってきて、波の音が聞こえた。
 洞窟の出口まで来て、青年が私を抱きしめてくれた。
「ご無事で・・・・・。」
 彼の瞳に光ったのは涙のようだった。
 最後までついてきてくれた青年と別れるとき、胸が張り裂けそうな痛みを感じて、泣いていましたっけ。

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ジャンプ

 近未来なメタリックな渦巻きの建物。
 内側の壁には階段が付いていて、それを上ることもできる。
 体得した者は、ジャンプしながら、空を飛ぶこともできる。
 気をためて、ロケット噴射のように気を噴射しながら、上へ上がっていくので、少し時間がかかるけど。
 私は練習中で、途中でくたびれて落ちていきそうになる。
 そしたら、誰かが空中で支えてくれた。(いい男!)
「お疲れになりましたか?」
 そこで目が覚めました。

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天気・・・なれど、波高し

 こんな日だというのに、深い緑は変わらない。不思議と穏やかさの漂う静けさの中、私は従者と二人、道を急いでいる。
 それなのに、あまりの現実味のなさに、いつしか私は歩を緩め、そこかしこを愛でるようにゆったりとした気分になっていた。
「お急ぎくださいませ。」
 従者はそういって私をせかす。
「わかっています。けれど、今日が最後の日ゆえ。」
 わかっている。私は生き延びねばならないふと気がつくと入り江の近くまで来ている。
「こちらでございます。もう少しで着きますゆえ。」
 舗装はされているものの、こんな道を歩いたことのない私を気遣って従者はいたわるように、励ますように、私に声をかけた。
「大丈夫です。」
 私はそう微笑んで、歩調を早める。
 目の前に海が広がる。すでに、艦隊はそろっていて、いつでも飛び立てるようになっていた。
「こちらの艦にどうぞ。」
 私は言われるまま、その艦に乗り込む。
 艦の上では一族の者達が最後の晩餐を行おうとしていた。こんな日だというのに、こんな時というのに、何をのんきな。私は少なからずの憤りを感じたが、平和に慣れ親しんだ彼らに、自分の得になることしか考えない彼らに、この期に及んで言うこともない。
 艦隊がざわめき出す。
 一瞬、空がやんだ。
 その瞬間、私には何が起こったのかわからなかった。
 高い波が私の前を覆った。
 次の瞬間、目の前にいた何十人もの一族が消えてしまった。
 波しぶきに目を細め、私はただ立ちつくしていた。

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太古の記憶

 その夢は、唐突に始まり、唐突にさめた。
 憶えている情報は数少ない。私はその建物から出たことがないので、地理的なことはよくわからない。
 山の中。しかし、山奥なわけではなさそうだった。川が流れている。
 石のようなもので作られた神殿のような建物。階段はあるが、上の階へあがるにはエレベーターがある。
 エレベーターは電気仕掛けではなく、磁力を利用したものである。
 板の下で、小さな爆発?を起こさせるようにして、その反動で上に上がる。
 その日の朝は、ミルク色の深い霧に包まれていた。
 川のせせらぎがかすかに聞こえる。吹き抜けとなった階下が見える。
 しんと静まりかえった建物の中、見えない何かを見ようと目を凝らしている自分がいた。

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通信世界での出会い

 もう、はっきり憶えていない。何が、きっかけで私はSさんとメールを交わしたのだろう・・・。
 そして、どうして、彼と関わりがあると思ったのだろう。
 Sさんが開いたパソコン通信内のパティオで、彼の仲間と出会った。
 驚いた。私が見た夢を知っている人がいる。それを不思議と思わない人がいる。
 言葉を交わすたびに、質問を繰り返すたびに、彼らの記憶と私の記憶は重なっていく。
 疑った。偶然だと思った。これはお遊び。新人さんをからかう、お遊びだとも思った。
 しかし。こちらから、提供しない情報を何故、彼らは私の前に提示するのか。
 偶然という確率を超えた事実。偶然という名の必然。

 S
さんとPさん。私は、彼らを知っていた。彼らと出逢う前から。

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