時にはテレビドラマのワンシーンのような夢を見ることもある。もうずいぶん前に勤めていた会社が出てきたり、学校が出てきたりするのだが、意識は今の自分だ。
その当時に憤っていたことを今更吐き出すような夢も見たりする。よくわからないが、いいたいことを言ってすっきり出来る夢は、まあ、まだ見ていて、楽しい方かも知れない。
とある事務所である。会社のようで、広すぎず狭すぎない事務所内には、適当な感覚で机が並び、20人弱の人間が働いている。(人間の数はもっと少ないかも知れない。机が15~20くらいあったので・・・。)
パソコンが置いてある机やドラフターがあったが、何をしている事務所なのか見当は付かない。
私はその会社の社長だか部長だか、とにかく管理職の人間のもう一つ上の立場にいるようだ。
一人の男性が一生懸命仕事をしている。まじめで努力家のようだ。仕事をしていると言うことに喜びを感じているように、働いている。
が、どうやら、うまく仕事が進まないらしい。それも凡ミスを連続して、気落ちしているようだった。
あまり落ち込んだ様子だったので、何か他に出来る仕事はないかと周りを見回した。すると、電話の応対もままならないような新入社員や、パソコンのパの字もわからない年輩の社員がうろうろして、業務の妨げになっているのに気がついた。
私は特権?をいかして、彼に新人やパソコンの教育をさせた。するとどうだろう。彼は実に的確に、確実に彼らの指導していく。訳のわからない常識を振りかざす相手に向かって、時には毅然と、時には優しく、時には叱咤し、うまく彼らを指導していった。
「人を指導するのが上手だね。」
そう私が声をかけると
「これでも自分は短気な方なんで、むっとすることも多いんですが、この会社にとって大事なことは人材だと思うのでこらえて頑張っているんですよ。」
と、照れくささを隠すようにポーカーフェイスを装って答えた。
その時、彼の上司が別室から(上司の部屋は別室となっていて、上司はそこにいたようだ。)先ほど彼が凡ミスを犯してしまった書類を手にやってくる。
彼を見つけ、その書類を叩きつけるように突きつけて、彼に怒鳴りはじめた。
「なんだ、これは!こんな簡単なことも出来ないのか!この穀潰しめ!」
穀潰しとはまた時代がかった言葉だと、私は思いながらその上司と彼を見ている。
上司はおよそ関係ないだろう彼の人格をも否定するような言葉を投げつけ、彼を罵る。彼はうつむきかげんに頭を下げ、拳をぎゅっと握りしめていた。
「おまえなんか、もう、会社に来なくていい!」
そう叫ぶ上司に、私の怒りが爆発した。
「現場にも出ず、社員の仕事ぶりを見ずに、重箱の隅をつつくようなことをするな!」
彼がいかに指導力に長けているか、仕事が出来るかを、上司に説明し、指導された社員がてきぱき働き、さっきとは雲泥の差で業務がスムーズに進行しているかを見せた。
「おまえの仕事は凡ミスを見つけることじゃない。そんなものは校正係にさせておけ。人をうまく使うのがおまえの仕事だろう!!有能な社員の登用の仕方を間違って、社の損益を生み出すようなら、おまえが会社に来なくていい!」
烈火のごとく怒っている私を呆気にとられたように見つめ、上司は、愕然としている。
「人を侮辱する前に、自分が反省しろ!」
その言葉に上司は深く息を付き、頭を下げ、自分の部屋へと帰っていった。
他の社員たちは、そのやりとりがなかったかのように、自分たちの仕事に没頭している。
彼は、とても複雑な表情で私を見ていた。
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